集合住宅とペットペットクラブ集合住宅におけるコミュニティづくり
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集合住宅におけるコミュニティづくり
−ペットクラブ設立と動物飼育−
シンポジウム「集合住宅におけるペットとの暮らし」
(2000年9/19・10/5)
井本史夫(井本動物病院院長)講演資料より
1) 今や、都市住民の過半数の人たちが、集合住宅に暮らしている。そんな日本の住環境の中でペットと集合住宅の問題を考えることは、都市に住む人々の生活の質についての問題を考えることと同じことである。

2) 動物飼育で争っているマンションと、動物飼育は可能でそんなこと問題にもならないというマンションの違いは、どこに違いがあるのだろうか。

一言で言うと、出発点での「問題の立て方」が違うのである。動物飼育で争っているマンションでは、犬は外で飼うものだとか、規約には動物飼育禁止と書いてあるとか、犬がいるとうるさく哭くとか、毛が飛んでくるとか、動物を飼うのは権利だ、というふうに「争い」に終始している。つまり、争いからのがれられないような問題の提起の仕方なのである。

ところが、動物飼育が可能でそんなことは問題にならないというマンションは、そういう問題の立て方をしない。「マンションというコミュニティで楽しく暮らすには」という問いから出発する。はっきりとそのことを表には出さないまでも、討論の仕方や問題の提起の仕方に、そういう意思が感じられる。そういうマンションでは、マンションに関わる出来事や住民の暮らし方のすみずみに、コミュニティを意識した動きが感じられる。

3) マンション内に飼い主の会(ペットクラブ)を作ることの意義と効果は大きい。飼い主の会は、直接的にはペットに関する苦情の窓口となり、苦情に対する対応の実行部隊となるので、苦情処理が迅速に行われる。間接的には、居住マンションに対する自治意識が芽生え、管理組合等への参加意識が発生する。さらに、同好の志が集まるという形を見て、他の住民が他の目的を持ったクラブを結成するきっかけとなり、それらの集合により有機的な形での住民同士の融和が図られる。

その結果、永住型マンションにとって必須要素であるコミュニティ意識が、住民の中で熟成される。つまり、「マンションというコミュニティで楽しく暮らす」という居住者だれもが望むところを目指すことができるのである。

4) マンションという集合体は、けっして機能体ではない。共有共同体である。共有共同体の管理は、断じて機能体の管理と同じものではない。マンションの「管理」は、住民が快適な暮らしを行うために支援する機能が大きな位置を占める。つまり、マンション内の紛争を解決するためには管理会社のサポートが大きな役割を担っている。そして、その役割を管理会社サイドが十分認識することが大切である。

5) コミュニティの形成しやすい構造や建築物、さらにはそれらの集合はどのようなものか、ディベロッパーにとっての大きな研究課題である。

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