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愛猫『ルネ』は家出をしたことがあります。2〜3カ月の間、完全に行方不明で、一度も姿を見せませんでした。家族中で心配していましたが、ある日、お向かいから電話がありました。
「よその猫がうちの戸棚に入っているのですが、いなくなっているお宅のルネじゃありませんか?」
あわてて見に行くと、確かにルネ。「お騒がせしました」と連れ帰ったものの、涼しい顔をして抱かれているルネを見ているうちになんだかおかしくなってきました。
というのも、その当時、わが家にはルネ以外にもペットを飼っていました。私がハムスターをもらってきたため、わが家はみんながその新しいペットに夢中。ルネのことはほとんど無視。ルネがケージの中のハムスターに興味を示すと、みんなで追い払うこともありました。ルネの家出はその直後のことです。この一連の出来事に起因するとしか思えません。ルネが感じていたであろう疎外感、ルネのプライド…。たしかに、私たち家族はルネに申し訳ないことをしていたのです。
ルネがお向かいの戸棚に入り込んだのも、実家に帰った奥さんが「頭を下げて迎えに来てくれれば帰ってあげてもいいわよ」と言っていたようなものです。実際、私たちの方からルネを迎えに行くことになりました。ルネがいないあいだに、私たちはどんなに「彼女」が大切な存在かわかったのですから、ルネの作戦は見事に的中したといえるでしょう。猫の頭の良さに不思議な気持ちになります。
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